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『豆(希少品種)の
認知向上と販路拡大』

両手いっぱいのカラフルな豆

かみしほろの人紹介

関口農場 
関口嘉子

上士幌の居辺地区で畑作を営む関口農場の豆・個人販売部門。
「豆で食卓を豊かに、人を健やかに」をコンセプトに、販売だけではなく豆を食べることのメリットや、
豆の新しい食べ方を発信している。手作業で少量多品種の豆を栽培し、より甘く味の濃い豆を作るため、
厳しい十勝の気候の中で作物が本来の力を引き出せる様な土づくりにこだわっている。

関口農場 関口さんの写真

個性豊かな
豆の魅力に魅了されて

関口さん 豆にはたくさんの種類があるのですが、市場によく出回る品種は限られています。例えば、つるが伸びない、寒さに強い、などの品種改良をした生産効率のよい豆が多く作られるようになっていて、昔から伝わる在来種と呼ばれる種類の豆などの手間がかかるものはあまり作られなくなっています。
でも、どの豆も個性的な味でとても美味しいのです。見た目もいろいろな色や大きさがあってとてもかわいくて、見ているだけでも幸せな気分になれます。

私の家族が経営している関口農園では、じゃがいもや金時豆などの主力の作物の他、小さな畑でこの在来種の豆をはじめとした様々な品種の豆を育てています。個性豊かでそれぞれに美味しい豆の魅力がみなさんに伝わって、もっと多くの方に食べてもらえたら、と思っています。

関口農場

“豆の生きる力”を見守る畑作り

関口さん 私と豆との出会いは、10年前にさかのぼります。結婚し、大阪から上士幌町の農家に嫁いできて、お義母さんに最初に教えてもらった作物が豆だったんです。「豆は簡単だから、やってごらん」と言われて始めたのですが、素人の私が育ててもちゃんと赤と白の小さな粒を作ってくれました。

豆は食べ物ですが、種でもあります。これを土に植えると、20~25粒くらいの豆が生まれます。
豆は少しでも多くの実を実らせるため、いろいろな作戦を持っています。豆の花が落ちるとそこにさやがなるのですが、その花が咲く時期や期間は少しずつずれていますし、すべてのさやに豆ができるわけでもないです。豆の苗は少しずつ時期を分散させてリスクに備えているのです。

つるが伸びる品種の豆も面白い特徴を持っています。つるの先に細かい毛がびっしり生えていて、少しでも触るとくっついてつるを伸ばそうとするんです。この小さな豆から「どんなところでも実をつけてやろう」という強い力を感じます。私たちはその力をいただいているんだと思います。

豆の様子を見る関口さん

手間を惜しまず
個性豊かな豆を
作り続けたい

関口さん 今年は雨があまり降りませんが、それに関係なく豆はどんどん育っていて。私は「人間みたいにあれこれ考えずにすくすくと育っていいな」と思って毎日豆を見ています(笑)。

豆は放っておいても育つ、と言われます。でも、毎日畑を見に行ったり、土や水を気にかけたりするともっと美味しい実をつけてくれる。私がいなくてもこの豆は育つのでしょうが、気をかけた分、豆は返してくれるんです。

どの豆も個性があってそれぞれに美味しいのです。品種改良されていない豆は手間がかかるものが多いので、たくさん作ることはできないのですが、この豆を作り続けていきたいなと思っています。

畑に立つ関口さん

畑に向き合って
丁寧な仕事をすることを
大切に

関口さん 私の作る豆は、農場のある土地の名前をとって「オリベの豆や」という名前で商品化しています。
この豆は、手間がかかるため大量に作ることはできません。できるだけ畑に出て豆と向き合う時間を増やしたいと思っているので、たくさん収穫できる品種に作付けを変えたり、必要以上に効率化してたくさん売ることを目指してはいません。

年間150kg程度収穫できる希少な品種の豆を、できる限りたくさんの方に届け、きちんと継続していけるような収益をあげることが一番の目標です。

私は生産に集中してよい豆を作るので、販売を通じて、豆を多くの方に届けてくださる方にお力をお借りできたらと思っています。

豆のピクルス

豆の魅力を伝えるための発信と販路拡大

関口さん 実は、私はあまり煮豆が好きではありません。若い人たちにも豆をもっと食べてほしいなと思うのですが、豆の調理方法は煮豆くらいしか知られていませんし、そもそも豆は水に浸したりする準備が必要ですぐに食べられるものでもありません。
でも、にんにくとオリーブオイルで炒めたり、ご飯に混ぜたり、簡単で美味しい食べ方はたくさんあるのです。

もっとたくさんの人に美味しく食べてもらうには工夫が必要だと思い、加工食品も作り始めました。
今は大豆のふりかけと豆のピクルスを作っています。ピクルスは、カツオと昆布の出汁も入れて、和風の食べやすい味を作ってみました。

関口さん さらに多くの方に食べていただくために、すぐ食べられる加工食品にしたり、美味しく調理してくださる飲食店に卸したり、インターネットで豆の魅力を発信しながら販売することも必要だと思っています。
現在、道の駅と町内向けのマルシェを中心に販売していますが、より多くの人に知ってもらえるように販路を拡大していきたいと考えています。

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